研究課題
若手研究
ヒトに熱性疾患や胎児の小頭症を引き起こす、蚊媒介性ジカウイルスが、日本産の北方系ヤマトヤブカ体内で増殖すること、またヤマトヤブカの唾液中にウイルスが排出され、蚊がウイルスを媒介し得ることを明らかにした。加えて、蚊の体内で増えたウイルスはウイルスの表面を構成するエンベロープタンパクに特徴的なアミノ酸変異を有し、本変異がウイルスの糖鎖修飾能に関与することが示唆された。
ウイルス学
ジカウイルスは2015年、南米を中心とした世界的な流行が見られ、近年、日本国内への侵入が危惧される蚊媒介性ウイルスである。本研究では日本に広く分布するヤマトヤブカにおいて、程度は低いながらもウイルスが媒介され得ることを明らかにした。また、本研究で見つかったウイルスの変異は、ウイルスが蚊で増殖する際の適合性に関わる因子と考えられ、今後、蚊媒介性ウイルス関連の研究へ展開が見込まれる。