MHC-Iハプロタイプ90-120-Ia共有SIV複製制御サルにおいて、エピトープ特異的CD8陽性T細胞の交差反応性を解析した。SIV長期複製制御サルはCTL逃避変異の選択がすすんでおらず複製制御の状態がよいN群と、CTL逃避変異の選択が緩徐ながら進行しのちに一部の個体で複製制御が破綻するM群に区分される。N群の多くでは感染後に広範な反応性を示す主要CTLがみられたのに対し、M群ではみられなかった。このようなCTLドミナンスがN群における安定した持続複製制御維持と、M群における複製制御下での逃避変異蓄積の原因となる可能性が示唆された。
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