消化管寄生蠕虫Hpをマウスに予め感染させてから薬剤投与によりT1Dを誘導するとインスリンを分泌する膵臓のβ細胞の破壊が食い止められ、T1Dの発症が抑制された。そのメカニズムを探るために、Hp感染によって誘導される様々な抑制性の細胞の関与を調べると、CD8陽性の制御性T細胞によって発症が抑えられていることが明らかになった。また、このCD8陽性の制御性T細胞はHp自身によるトレハロースの分泌が、ある種の腸内細菌を増加させることにより増殖することが明らかになった。今後はこのCD8陽性制御性T細胞の分化や、活性化メカニズムについても明らかにすることで、1型糖尿病の新規治療法を確立したい。
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