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2021 年度 実績報告書

ビックデータ解析を応用した乳腺化生癌に対する新規治療標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 19K16715
研究機関愛媛大学

研究代表者

山下 美智子  愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (10809247)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード乳癌 / トリプルネガティブ乳癌 / 化生癌 / バイオインフォマティクス / CAPS1
研究実績の概要

追加で収集した乳癌患者サンプルを用いて計8患者の正常乳腺組織および乳癌組織のペア検体にて、遺伝子発現解析を行い、すでに施行した予後関連解析や細胞株でのin vitro解析結果を統合し最終的な候補遺伝子の絞り込みを行った。その結果、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)における新規治療標的候補遺伝子としてCAPS1を同定した。CAPS1は神経内分泌細胞において、ゴルジ体から細胞膜への分泌顆粒の輸送、エキソサイトーシスに関わることが報告されているが、乳癌細胞における機能についてはこれまでに報告がなく不明である。CAPS1は正常乳腺組織と比較してTNBC乳癌組織で有意に発現が高く、basal typeの乳癌においてCAPS1高発現群で有意にRFSが短く(HR1.37(p=0.045))、予後不良因子であることを見出した。
その後、間葉系への分化を示すTNBC乳癌細胞株BT-549細胞にsiRNAを用いてCAPS1をノックダウンし、細胞形態、増殖能、遊走能、浸潤能を評価し、CAPS1の乳癌細胞における機能を解析した。
CAPS1のノックダウンにより、BT-549細胞の紡錘形の突起様構造の伸長が消失し、細胞形態の縦横比が低下した。増殖能は24時間、48時間では差が見られなかったが、72時間後から差が見られはじめ、96時間後には有意に増殖能が低下した。CAPS1のノックダウンにより、スクラッチアッセイによる遊走能も有意に低下し、さらにインベージョンチャンバーによる浸潤能を解析では浸潤細胞はほぼ0近くに減少し、浸潤能は著明に減少した。
CAPS1のノックダウンにより浸潤能が大きく低下し、乳癌細胞の浸潤にCAPS1が深く関与していることが示唆された。
これらのことから、本研究によりCAPS1がTNBCおよび化生癌の新たな治療標的となる可能性を見出した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CAPS1はトリプルネガティブ乳癌細胞の増殖・遊走・浸潤を促進する2022

    • 著者名/発表者名
      山下 美智子、青木 玲奈、宇都宮 果歩、中村 萌美、野田 令菜、日下部 恵梨菜、田口 加奈、西山 加那子、村上 朱里、亀井 義明、今井 祐記、高田 泰次
    • 学会等名
      第30回日本乳癌学会学術総会

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公開日: 2022-12-28  

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