研究課題
若手研究
本研究では、発がん関連シグナル伝達経路の統合的制御を司る核内タンパク質Parafibrominの生体内機能に着目し、そのチロシンリン酸化制御を担うPtk6ファミリーキナーゼの三重欠損マウスをCRISPR/Casゲノム編集によって作製した。その結果、Ptk6ファミリーキナーゼによるParafibrominのチロシンリン酸化が腸管上皮の組織恒常性維持に重要な役割を担うことが明らかとなり、さらに炎症性腸疾患や放射線誘導性消化管症候群といったヒトにおける疾患発症への関与が示された。
腫瘍生物学
本研究により、Ptk6ファミリーキナーゼによるParafibrominのチロシンリン酸化制御は腸管上皮の組織恒常性維持に働くことが示され、さらには炎症性腸疾患や放射線誘導性消化管症候群といった臨床的に重要な意義を持つ疾患の発症に役割を担うことが示された。この成果を足掛かりに、今後はParafibrominのチロシンリン酸化を制御可能な薬剤などをスクリーニングすることで、それらの難治性の疾患に対する新たな治療法の開発につながることが期待できる。