造血幹細胞の維持に関与する因子の探索を行い、Galectin-3(Gal-3)を同定した。Gal-3欠損マウスを用いて造血幹細胞の機能を解析したところ、欠損マウスではG0期の造血幹細胞が減少しており、骨髄再構築能の低下を認められた。その分子機構ではAngiopoietin-1あるいはThrombopoietinが細胞表面のTie2あるいはMplを活性化する。下流のPI3K/AKTシグナルを経由してNF-κBの核内に移行を促進することでGal-3の転写が誘導される。このように産生されたGal-3はSp1と結合して、p21の転写を促進する。細胞内のp21飽和により造血幹細胞の休眠状態を維持する。
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