研究課題
当初研究目的として挙げた以下の3点についての研究実績[1]免疫細胞の浸潤に着目したヒト大腸癌組織のphenotype 分類 当初の予定より多い、200例近いヒト大腸癌切除標本に対して、免疫染色を行い免疫学的腫瘍微小環境のphenotype分類を行った。それらの分類と臨床病理学的な関連、予後との関連についても解析を行った。年齢はInflamed type で他群より有意に高齢で性別、局在、Stage、脈管侵襲、組織型に有意差は認めなかった。5年全生存率はInflamed typeで良好な傾向を認めた。[2]ICI (抗PD-1抗体)と間質反応抑制剤(PDGFR阻害剤) が大腸癌細胞株に与える影響 タイムラプスシステムを用いた検討を行い、ICIが免疫細胞の存在しないin vitroの環境下ではICIが細胞増殖能に影響を与えていないことを示した。またPDGFR阻害剤は線維芽細胞に対して細胞増殖能を抑制する効果を示した。[3]大腸癌同所移植モデルにおける抗PD-1抗体とPDGFR阻害剤の併用効果 臨床検体で分類を行った3つのphenotypeの同所移植マウスモデルを作成した。作成したモデルが各phenotypeの微小環境を再現できているかを免疫組織学的に確認した。それらのマウスモデルを使用して、ICIとPDGFR阻害剤での治療実験を行った。4群のうち、併用群において最も抗腫瘍効果が高いという結果を得た。
すべて 2021
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Cancer Letters
巻: 498 ページ: 111-120
10.1016/j.canlet.2020.10.041