研究課題
③腹膜播種におけるLSRと脂質の役割卵巣癌と同じ婦人科癌である子宮体癌の細胞株を用いて実験を行った。これは子宮体癌では肥満がリスクファクターであり、卵巣癌より脂質代謝への依存性が高いと考えられることからLSRの機能解析に適していると考えたからである。まず免疫組織学的セ炎色を用いて子宮体癌でのLSRの発現を評価し、LSRの高発現が子宮体癌の予後不良因子であることを見出した。サブ解析ではLSRの高発現は腹膜播種と関連していた。LSR陽性の子宮体癌細胞株をknockdownすると卵巣癌と同様に増殖が抑制されることを増殖アッセイで確認し、さらにmigration assayで遊走能が低下することを確認した。この作用はMEK、ERKなどが関与するMAPK経路を介したMMP2タンパクの活性抑制によるものであることをウエスタンブロッティングで証明した。
3: やや遅れている
当初はリガンドと考えていたVLDLによる増殖促進効果が安定せず、新たなリガンド探索に時間を要している。
高脂肪食を投与したマウスでは抗LSR抗体の抗腫瘍効果が増強することからこのマウスの血清を抽出し、LSRのリガンドを探索する。
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