研究課題/領域番号 |
19K16754
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大久保 捷奇 順天堂大学, 医学部, 助手 (20827878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | CAFs / 癌促進的作用 / 乳癌 / TGF-bシグナル / RUNX |
研究実績の概要 |
癌促進性癌微小環境の形成が癌悪性化の進展に極めて重要であることが認知されている。しかしながらその分子機構は十分に理解されていない。申請者らは、これまでの研究で、癌微小環境中に多く存在する癌内線維芽細胞 (CAFs: carcinoma-associated fibroblasts)が近傍の乳癌細胞に作用し癌悪性化を促進すること、さらにCAFsにおけるTGF-βオートクラインシグナルの活性化が癌促進性CAFsの表現型の維持に重要であることを明らかにしてきた。また最近の申請者らの先行研究より、乳癌由来CAFsにおいてreceptor-regulated Smad (R-Smad)結合蛋白であるRunt-related transcription factor 3 (Runx3)およびWnt-β-cateninシグナルが亢進していることが明らかになった。本研究では、Runx3がTGF-βおよびWnt-β-cateninシグナルのクロストークに寄与し、CAFsの癌促進能を媒介している可能性を調査する。さらにCAFsにおけるRunx3発現を標的とした新規癌治療の開発の基礎の構築を目指す。 CAFsにおけるRunx3およびLEF-1の機能を調査するために、それぞれの遺伝子に対するshRNAを作製した。Runx3-shRNAの導入によりCAFsにおけるmyofibroblastic stateが抑制されinflammatory stateが亢進した。現在LEF-1-shRNAの効果を検討中である。Runx3とLEF-1の過剰発現系の構築およびその確認作業が進行中である。 今後は、Runx3およびLEF-1の機能や相互作用を分子レベルで明かにし、CAFsの癌促進的機能との関係を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CAFsにおけるRunx3およびLEF-1の機能を調査するために、それぞれの遺伝子に対するshRNAを作製した。Runx3-shRNAの導入によりCAFsにおけるmyofibroblastic stateが抑制されinflammatory stateが亢進した。現在LEF-1-shRNAの効果を検討中である。Runx3とLEF-1の過剰発現系の構築およびその確認作業が進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Runx3およびLEF-1の機能や相互作用を分子レベルで明かにし、CAFsの 癌促進的機能との関係を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染による影響で予定していた実験の一部が延期になった為。
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