研究課題/領域番号 |
19K16759
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研究機関 | 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所) |
研究代表者 |
迎 恭輔 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 研究員 (60793974)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 神経堤細胞 / iPS細胞 / ATRX / ALT |
研究実績の概要 |
前年度の実績において、Li-Fraumeni (Li-F) 症候群 iPS 細胞由来の頭部神経堤細胞 (cNCC) からSingle guide RNA によるATRX欠損株 (Li-F ATRX KO cNCC) を作製し、限界希釈法を用いたLi-F ATRX KO cNCCクローンかを行なった。そのクローンにおいてC-circle陽性細胞を得ることができた。しかし、本年度においてそのクローンをソフトアガーコロニー形成解析したが、コロニーを形成しなかった。これはATRX欠損による影響が強く現れていると考えられる。神経堤細胞には、cNCCと体幹部神経堤細胞(tNCC)がある。神経芽種はcNCCとtNCCの両方から発生する可能性があるが、頻度としてはtNCCからの発生が多いと考えられている。しかしながら、tNCCの分化誘導は確立された方法がある一方で、tNCCを維持培養をする条件が確立されていなかった。そこで、本年度はtNCC維持培養法の確立を行い、Li-F iPS細胞からtNCCへの分化も試みており、cNCCと同様な方法でATRX KO tNCCを作製している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
体幹部神経堤細胞(tNCC)の維持培養法が確立されていないため、その方法を確立するための時間を有した。また、ATRX KOによる細胞増殖の影響が大きく、ソフトアガーコロニー形成単離後の細胞維持が困難だった。
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今後の研究の推進方策 |
tNCC維持培養法を確立することができたため、cNCCとtNCCの2通りの分化細胞を用いて、ATRX KO欠損株を作製することができる。また、ATRX KOによる細胞増殖の影響が大きいことが分かったので、ソフトアガーコロニー形成における細胞数を増やし、形質転換能が高いと想定される、より大きいコロニーを多数単離する。その中で、増殖の早い細胞のみを選定し、マウス皮下移植によってがん化を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用額が生じた理由)割引価格購入により、定価購入よりも安く試薬類を調達することができたため、翌年度分の研究費として使用することを計画したため。
(使用計画)これまでと同様に、研究経費の多くは解析用消耗品費にあてられる予定である。
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