研究課題
若手研究
膵癌において,造影CTにおける腫瘍の造影効果の経時変化を表す時間濃度曲線は,癌細胞の密度や間質の線維化の程度を反映していることが本研究で明らかとなった。また,術前化学療法が施行された膵癌外科症例を検討したところ,術前化学療法により時間濃度曲線の形状が変化していることが明らかとなった。以上の結果から,術前化学療法前後の時間濃度曲線を用いることによって,化学療法により癌細胞がどれくらい減少しているかを,画像診断から導くことができる可能性が示された。
病理学
膵癌の術前化学療法の効果判定は病理学的に大きな課題となっており,画像診断と組み合わせることで,旧来の効果判定法にはない臨床所見に則した評価が可能となった。また,診療上,化学療法が腫瘍に確実に効果を与えているかを画像診断で適切に評価することが可能となり,適切な手術時期の決定に寄与すると考えられる。