研究課題/領域番号 |
19K16778
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
矢野 光剛 大分大学, 医学部, 助教 (70817064)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / 中腎様腺癌 / KRAS / 機能性間質 / 腫瘍間質 |
研究実績の概要 |
卵巣癌における癌細胞と腫瘍間質の遺伝子解析を行っていたが、卵巣癌および子宮体癌にて癌成分が一部で間葉系成分のようにみえるmesonephric-like adenocarcinomaという腫瘍が近年提唱された。同腫瘍は癌成分と間葉系成分にみえる部分がいずれもKRAS変異を伴うことが多く、腫瘍間質にもKRAS変異がみられる現象はmesonephric-like adenocarcinomaをみていた可能性も考えられた。Mesonephric-like adenocarcinomaについて子宮体部で約10例、卵巣で1例を特定して臨床病理学的解析を進めている。子宮体部mesonephric-like adenocarcinomaは、類内膜癌と形態学的に混同されやすく、頻繁なKRAS変異を伴い、予後不良の傾向が得られた。卵巣mesonephric-like adenocarcinomaの1例は粘液産生が旺盛であり、粘液性腫瘍との併存が示唆される点で非典型的であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症対策で本課題に対するエフォートが著しく低下した。
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今後の研究の推進方策 |
Mesonephric-like adenocarcinomaを体部で約10例、卵巣で1例特定して解析をしているので得られた結果は論文および学会発表を行う。またこれまで着目していた癌細胞と機能性 間質、腫瘍間質に同時にみられるKRAS変異を、mesonephric-like adenocarcinomaによってどの程度説明できるのか、それともやはり癌細胞と腫瘍間質は同様の遺伝子変異を有して同一起源である可能性があるのかを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症によって研究が滞ったため。次年度においては研究推進に必要な試薬などの消耗品と得られたデータを学会発表するための旅費、論文作成のための英文校正費と掲載料に当てたい。
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