研究課題
本研究は、新規のがん抑制遺伝子として我々が見出したリン酸化酵素 Dual specificity tyrosine phosphorylation-regulated kinase 2 (DYRK2)に関し、DYRK2欠損マウス個体レベルでの発がん、組織発生制御における機能解明を目的とする。発がんに関しては、複数の組織においてがん幹細胞の起源と考えられる組織幹細胞 (Lgr5発現細胞) に焦点を当て、Lgr5発現細胞特異的なDyrk2 コンディショナルノックアウトマウスを作出し、日本人(男女計)の罹患率予測が最も高い大腸における発がんとの関連性を解明する。本年度は、前年度に樹立したDyrk2;Apcダブルコンディショナルノックアウトマウス(Dyrk2-flox;Apc-flox;Lgr5-EGFP-IRES-CreERT2)を用いた、組織化学的な解析を進めている。また、コンディショナルノックアウトマウスに加え、我々が作出した全身性DYRK2欠損マウスの解析した結果、DYRK2の欠損はHedgehogシグナルの低下を引き起こすことを個体レベルで明らかにした。さらに、この機序として、DYRK2欠損は、細胞小器官である一次繊毛の異常を呈していることを見出した。
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