研究課題/領域番号 |
19K16783
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
郭 シン 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40816328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 予後改善 / 増殖抑制 |
研究実績の概要 |
80例患者のカルテより、年齢、性別、予後、病期分類、癌の分化度、脈管侵襲の有無などの情報を抽出し、また、浸潤性膵管癌手術の際に摘出した腫瘍組織を用い、PRDX4 特異抗体を用いて免疫染色をした。HCCコホート研究において、PRDX4の低発現群は腫瘍の悪性度が高く、生存率が低いことが見られた。一方、ヒト膵癌細胞株培養細胞にPRDX4のプラスミドDNAのtransfectionを施行し、PRDX4の発現の増加による細胞の増殖を抑制することも確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において、細胞培養および組織学的検索等を施行するための研究施設は、本教室および金沢医科大学総合医学研究所に既に配備・整備されているので、本研究を円滑に実施していた。組織切片作製は同じ教室の臨床検査技師に依頼し、免疫染色および細胞培養等は、大学院生らも参加しているから、順調に進んでいた。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトPRDX4 (hPRDX4)のトランスジェニックマウスとC57BL/6 wild type (WT)マウス各々に、マウス膵癌Panc02細胞、またはhPRDX4 geneのplasmid DNAが挿入されたPanc02細胞を膵臓尾部に注射し、4週経過した時点で解剖を行い、膵臓を含め、全身各諸臓器を摘出する。肉眼的、血清学的、組織学的、分子生物学的、様々な角度から、四群間における比較検討をする。酸化ストレス物質との相関性も模索する。 回収したPRDX4 geneのplasmid DNAが挿入されたヒト膵癌細胞株培養細胞細胞は、mRNAおよび蛋白を抽出し、Real-time PCR、Westtern blotting、immunofluorescenceなどの方法にて、抗酸化酵素、腫瘍増殖と浸潤、アポトーシスなど様々な因子の発現を評価する。さらに、ELISAより、培養上清中の抗酸化ストレスや炎症性サイトカイン因子等の発現も測定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
生じた理由:コロナの影響で、学会および勉強会などが中止されているので、旅費を使っていません。試薬のキャンペーンで、値段は少しやすくなりました。 使用計画:今年度の学会や勉強会などの参加、追加実験の試薬の注文、及び値段が高くなった試薬の補助。
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