研究課題
約120例患者のカルテを追加し、浸潤性膵癌手術の際に摘出した腫瘍組織を用い、PRDX4 特異抗体を用いて免疫染色をした。コホート研究において、PRDX4の高発現群は腫瘍の悪性度が高くなって、生存率が低いことが見られた。PRDX4が膵癌の増殖・進展や予後等と密接な関連性のあることを明らかにし、さらに、PRDX4の発現が膵癌において、重要な術後予後予測因子であることも得た。一方、高、中分化のヒト膵癌細胞株培養細胞を追加し、PRDX4のプラスミドDNAのtransfectionを施行した。細胞の増殖及び移動力を観察し、PRDX4 geneのplasmid DNAが挿入されたヒト膵癌細胞株培養細胞を回収した。mRNAおよび蛋白を抽出し、Real-time PCR、Westtern blotting、immunofluorescenceなどの方法にて、腫瘍増殖や浸潤など様々な因子の発現を評価した。PRDX4の発現の増加による細胞の増殖及び移動力を促進することも確認した。C57BL/6 wild type (WT)マウスに、マウス膵癌Panc02細胞を膵臓尾部に注射し、4週経過した時点で解剖を行い、膵臓を含め、全身各諸臓器を摘出した。移植部位に腫瘍の数や直径を確認し、肉眼的、組織学的、分子生物学的、様々な角度から、比較検討をした。本研究では、膵癌細胞株、膵癌動物モデルおよびヒト膵癌組織を用い、膵癌におけるPRDX4の生体内外での重要な役割を検討した。最終的にはPRDX4は膵癌治療に向けた臨床応用が可能になることが示唆された。
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J Invest Dermatol.
巻: 141 ページ: 2720-2729
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Nutrients
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