希少がんである肉腫に対する治療薬開発は、少ない症例数やリソース、多様な組織型、企業の採算性などの理由から、今日のがん医療の重要な課題である。FOXM1は一般に悪性腫瘍において高発現で、正常の組織では一部の組織を除いてほとんど発現がなく、またその発現が予後に関与するとされている。本研究成果により、FOXM1は特に脂肪肉腫における選択的治療の標的となり得ることが示された。また、本研究のデータでも粘液線維肉腫や血管肉腫などでFOXM1高発現が認められたように、FOXM1抑制因子(がん抑制遺伝子)TP53遺伝子異常を有する症例が多い軟部肉腫においては、FOXM1標的治療法の臨床応用が強く期待される。
|