多発性骨髄腫(MM)のもつ抗アポトーシス作用は、治療抵抗性に関与する。IAPは、アポトーシス誘導を阻害し、その好発現は、予後不良因子となる。本研究では、IAPのうち最も強力に抗アポトーシスに関わるXIAP阻害能を有するAZD5582に着目し、検討した。AZD5582は、単剤で、MM細胞株に対して細胞増殖抑制効果を示し、アポトーシス誘導効果を示した。その効果は、骨髄微小環境に関与するIL-6添加下でも、認められた。さらには、プロテアソーム阻害剤カルフィルゾミブとの併用においても相乗効果が認められた。ほか既治療薬とも相乗効果が認められ、MMにおける新規治療薬として有望な結果が得られた。
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