本研究では悪性リンパ腫診断時の骨髄でのクローン性造血を解析し、治療関連骨髄性腫瘍 (t-MN)発症の潜在的リスクの予測を目的とした。悪性リンパ腫治療後t-MNを発症した症例を対象にtargeted deep sequencingによる検討を行なった。結果tMNを発症した症例の80%で悪性リンパ腫初診時の骨髄検体にクローン性造血が存在していた。また悪性リンパ腫発症時に認められたクローン性造血にその後発症したt-MNと共通するクローンは一例にも認められなかった。この結果から化学療法前のクローン性造血の存在は治療により新規のクローンが出現しやすいようなクローンの不安定性がある可能性が示唆された。
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