進行再発非小細胞肺癌初回治療例を対象とした多施設共同研究を行った。PD-1阻害薬単独療法を行った106例を主対象とし、殺細胞薬のみで治療した105例、PD-1阻害薬+殺細胞薬で治療した49例を対照群として集積し、治療効果と腫瘍量の関連性を検討した。殺細胞薬群では、腫瘍量と治療効果の関連性は認められなかったが、PD-1阻害薬単独治療群でその関連性が強く認められた。また、51例の腫瘍組織検体で遺伝子発現解析を行うと、腫瘍量が多い群は少ない群と比較して免疫抑制性シグナルが亢進していた。以上より、腫瘍量が多い場合には、特定の免疫状態によってPD-1阻害薬単独治療への耐性を示すことが示唆された。
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