研究課題/領域番号 |
19K16813
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
藤野 智大 近畿大学, 大学病院, 専攻医 (90813981)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | MET exon14 skipping変異 / MET-TKI / 初期耐性 / 獲得耐性 |
研究実績の概要 |
我々は、MET exon 14 skipping変異を有する腫瘍細胞モデルを用いて、type Iとtype II MET-TKIにそれぞれ獲得二次変異のHot spotが存在すること、さらに、これら変異はもう一方のtypeのMET-TKIに感受性が概して保持されていることを示した(Fujino et al. J Thorac Oncol 2019)。一方でtype IとII の両タイプに耐性を示しうるD1228A/Yの存在も明らかとし、これらを克服しうる薬剤の探索を行った。TRK阻害剤として開発中のDCC-2701を用いた細胞増殖阻害試験では、D1228A/Y変異に対してそれぞれIC50が80nM, 32nMと中等度の感受性を認めた。 一方で、MET exon 14 skipping変異を有する肺癌は、約半数がMET-TKIに初期耐性を示すことが報告されており、その要因についても検討した。MET exon 14 skipping変異に加えて、特定の癌関連遺伝子変異の共存がMET-TKIの感受性に関与している可能性を疑った。これらを明らかとするためにMET exon 14 skipping変異陽性の肺多形癌の外科切例における原発巣内の各コンポネート、剖検症例における各転移病巣での癌関連遺伝子の変異、コピー数の変化を遺伝子パネル検査を用いて探索・比較した。 剖検症例の各転移病巣における解析では、MET exon14 skipping変異はいずれの病巣にも共通して存在するtruncalな変異であった。一方でNF1遺伝子のframeshift変異の新規出現を一つの転移巣において認めた。同変異は、oncogenicな変異と知られており、MET-TKIの感受性に影響を与えうると考えられる。この結果は、MET-TKI投与時の奏効率を改善していく上で重要な知見であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MET exon 14 skipping変異陽性多形癌の剖検症例において、複数の転移病巣における癌関連遺伝子の網羅的な探索・比較により、MET-TKIの感受性に影響を与えうる遺伝子変異がTKI treatment naiveな状態でも癌の進展過程で生じうる可能性を発見した。
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今後の研究の推進方策 |
MET D1228X二次変異を克服しうる薬剤を引き続き探索していく。また、初期耐性に関与が疑われるその他の遺伝子変異についても研究を進める予定である。
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