我々は2019-2020年度に、MET exon 14 skipping mutation に加えてMET D1228 またはY1230アミノ酸残基に二次変異を有するBa/F3細胞を用いて、網羅的な薬剤スクリーニングを行った結果、foretinibおよびCEP-40783の2剤が有用である可能性をin vitroにおける研究で見出した。 2021年度は、上記2剤のうち特にforetinibがIn vivoでも同様に高い効果を示すかを検証した。(CEP-40783はPhase Iで開発が止まったため、今回はさらなる評価を進めなかった) そのためにMET exon 14 skipping変異+MET D1228Nを、ヒト由来胃がん由来であるHs746t細胞に外来導入して、同細胞株をヌードマウスに移植した。このcell-line-derived xenograftを用いてforetinibの効果を検討した。コントロールには、現在臨床開発中であるcabozantinibを用いた。其の結果、foretinibでは90%以上の腫瘍縮小を認めたのに対して、cabozatinibでは20%以内にとどまるという結果が認められた。 上記の結果よりforetinibは、Type I MET-TKIであるcapmatinibやtepotinibの獲得耐性として二次的変異(D1228XまたはY1230X)が生じた場合、有用な後治療薬となる可能性を見出した。
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