研究実績の概要 |
1)レンチウイルスベクターに組み込まれたピューロマイシン耐性CRISPR gRNAラブラリを標的細胞である食道癌細胞株TE9に導入した。ピューロマイシンによるセレクションにより、ランダムにヒトゲノムの何らかの遺伝子がノックアウトされる事が期待される安定発現株を作成した。 2)1)で得られたgRNAライブラリ安定発現株に対し、talaporfin sodiumの投与、レーザー照射を行い、光線力学療法を施行した。talaporfin sodium濃度20μg/ml, レーザー強度15mW/cm2 2.5Jで光線力学療法を行うと48時間後には約90%が細胞死を起こし、10%程度の細胞が生細胞として残存した。これらを7~10日程度再培養し、増殖した培養細胞に、同様の工程で2回光線力学療法を繰り返した。最終的に残存した細胞は光線力学療法耐性の濃縮細胞と仮定した。 3)2)で作成した光線力学療法耐性の濃縮細胞にtalaporfin sodiumを取り込ませ、フローサイトメトリーで蛍光陰性細胞をシングルセルソーティングし、30のクローン細胞を樹立した。 4)3)で樹立したクローン細胞に対し、talaporfin sodiumを取り込ませフローサイトメトリーを用いて蛍光強度が低いクローン株の検出を試みたが、今回樹立したクローン株はいずれもネガティブコントロール細胞と同様の蛍光を呈しており、目的としたtalaporfin sodiumの取り込みが低いクローン細胞の樹立には至らなかった。
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