研究課題/領域番号 |
19K16823
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小野 隆裕 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (80620690)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | IDH-wild-type glioma / PI3K/MAPK pathway / EGFR amplification / TERT promoter mutation / Gain of chromosome 7 / Loss of chromosome 10 |
研究成果の概要 |
IDH-wildtype(IDHwt)gliomaは最も頻度の高い髄内腫瘍で、WHO分類では全て最悪性のglioblastoma(GBM)と診断される。一方、臨床的には緩徐に増大する症例が存在する。本研究では緩徐増大期の腫瘍と典型的GBMの分子性粒学的所見を比較し、悪性化に関わる因子を探索した。結果、緩徐増大期の腫瘍はMAPK経路の異常を除いてGBMの分子生物学的特徴を欠いており、このような差異が悪性化に関連すると考えられた。
|
自由記述の分野 |
脳腫瘍病理
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IDH-wildtype gliomaではMAPK経路、TP53経路、RB経路の活性化のほか、EGFR増幅、TERTプロモーター変異、Chr.7+/10-といった様々な遺伝子異常が報告されている。一方、生物学的に、これらの遺伝子異常が同時多発的に生じるとは考えにくい。 本研究の結果において、IDHwt gliomaは少なくともMAPK経路の活性化単独では悪性化せず、その他のがん化経路の活性化や遺伝子異常との併存によって、悪性化を来すものと考えられた。本腫瘍群の悪性化の機序を解明するうえで、重要な結果であると言える。
|