我々が温度を感じるためには特別な受容体を必要とする。本研究ではその受容体の中で免疫応答を向上することが知られているTRPV1受容体に着目し、TRPV1シグナルが亢進することでがん免疫治療効果が増強されるか否かを検証した。その結果、TRPV1のリガンドであるカプサイシンを腫瘍生着マウスへ投与することで、抗PD-1抗体免疫療法の治療効果が向上し、この要因としてTRPV1シグナルの亢進によるCD8陽性T細胞および抗原提示細胞の活性化が示唆された。本研究成果により、免疫療法の治療効果が得られない患者に対する新たな治療法として、TRPV1シグナル亢進機構を応答できる可能性を見出した。
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