我々は独自の手法を用いて、二つの膵液中エクソソーム由来膵癌特異的microRNAの同定に成功した。その後、膵癌患者膵液15例、慢性膵炎患者膵液11例を用いて検証したところ、既存の腫瘍マーカーや膵液細胞診よりも高い感度・特異度・正診率を示した。さらに、膵液細胞診に、この二つのmicroRNAを上乗せすることによって、より膵癌診断のバイオマーカーとして有用であることが示された。 また、血清診断への応用に関する少数例での検討では、有望な結果が得られ、血清診断への導出の可能性が示唆された。さらに、膵癌根治切除後の血清において発現が低下していることから、治療効果モニタリングとしての有用性も示唆された。
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