研究課題/領域番号 |
19K16847
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
関 好孝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00733213)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 治療耐性因子探索 / 融合遺伝子陽性肺癌 / cfDNA / チロシンキナーゼ阻害剤 |
研究実績の概要 |
現在までにcfDNAによる変異の定量的検出、およびEML4-ALKのbreakpointの推定と検出法の確立を試みた。まず現在実施中である細胞株を用いた予備検討に基づき、融合遺伝子と各種の耐性点変異が報告されている部位の配列について、cfDNAおよびexoNAを用いてシークエンシング・定量解析を行った。細胞株上清検体については FBS freeの培地を用いて75cm2 フラスコで48時間培養した後に上清を回収。上清は16000g 4℃で10分間遠心し、-80℃でストックする。上清からはQIAamp ccfDNA/RNA kitを用いてDNA/RNA混合体を抽出した。また、Healthy volunteerの結晶検体を用いてもQIAamp ccfDNA/RNA kitを用いてDNA/RNA混合体を抽出し、内在コントロール遺伝子について検出が可能か検討した。 この方法によりexosomalRNAからのmRNAの検出確認、negative control検体を用いた定量法は確立できたが、検出感度が低いこと、融合遺伝子の検出についてはGuardant Health社のコマーシャルベースの解析法が有用である事が判明した。 そこで、すでに院内研究倫理審査委員会で承認されている研究プロトコールを用いた血液サンプルを収集しており、他の関連遺伝子からの耐性機序の推定をGuardant Health社の解析法方をもとに進める方針とした。すなわち、ROS1融合遺伝子陽性患者・RET融合遺伝子陽性患者・NTRK融合遺伝子陽性患者のTKI耐性化時の血液サンプルを収集し、検体解析を外注依頼で解析した上で耐性機序の探索を行う方針とし、現在もサンプル収集を継続している。 今後は1年で10検体程度の上記TKI耐性患者のサンプルを解析する見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞株を用いた予備検討に基づき、融合遺伝子と各種の耐性点変異が報告されている部位の配列について、cfDNAおよびexoNAを用いてシークエンシング・定量解析を行った。 exosomalRNAからのmRNAの検出確認、negative control検体を用いた定量法は確立できたが、検出感度が低いこと、融合遺伝子の検出についてはGuardant Health社のコマーシャルベースの解析法が有用である事が判明した。 そこで、すでに院内研究倫理審査委員会で承認されている研究プロトコールを用いた血液サンプルを収集しており、他の関連遺伝子からの耐性機序の推定をGuardant Health社の解析法方をもとに進める方針とし、今後は1年で10検体程度の上記TKI耐性患者のサンプル収集を見込んでいる。しかし、国立癌研究センターにおいて新患や治験参入患者の減少などから、サンプル収集ペースについてはやや予想よりも遅延している印象である。
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今後の研究の推進方策 |
サンプルがある程度集まったところでGuardant Health社に依頼の上で、目標症例数よりも少なくても早期の試験的解析を開始する方針としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
サンプル収集の遅延と予備検討から解析方法の変更が必要であったため、改めて対象サンプルの収集を再計画し、まとまった数のサンプルが溜まったところで解析を行う方針としたため。
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