研究課題
まずcfDNAによる変異の定量的検出、およびEML4-ALKのbreakpointの推定と検出法の確立を試みた。まず現在実施中である細胞株を用いた予備検討に基づき、融合遺伝子と各種の耐性点変異が報告されている部位の配列について、cfDNAおよびexoNAを用いてシークエンシング・定量解析を行った。その結果、融合遺伝子の検出についてはGuardant Health社のコマーシャルベースの解析法が有用である事が判明した。そこで、院内研究倫理審査委員会で承認されている研究プロトコールを用いた血液サンプルを収集し、他の関連遺伝子からの耐性機序の推定をGuardant Health社の解析方法をもとに進める方針とした。これにより、ROS1融合遺伝子陽性患者・RET融合遺伝子陽性患者・NTRK融合遺伝子陽性患者のTKI耐性化時の血液サンプルを収集し、検体解析を外注依頼で解析した上で耐性機序の探索を行う方針とし、血漿サンプル収集を行った。新型コロナウィルス感染症の蔓延により一時症例集積の中止を余儀なくされたが、積極的なサンプル収集を再開してから3例の希少サンプルが収集され解析を行い、耐性機序の遺伝学的検索に成功した。結果として融合遺伝子・耐性の候補となる遺伝子が血液検体から検出できること、今後のさらなる解析の積み重ねにより臨床応用も可能となりうることについて、日本臨床腫瘍学会総会での学会発表・論文作成を行いRespiratory Investgigation誌に投稿を行った。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Respiratory Investigation
巻: 60 ページ: 852~856
10.1016/j.resinv.2022.08.002
Annals of Oncology
巻: 33 ページ: S528~S528
10.1016/j.annonc.2022.05.292