研究課題
本研究は予後不良であるBRAFV600E変異陽性(BRAF-mt)大腸がんにおいて、免疫チェックポイント阻害薬による治療奏効の見込まれる高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)とそれ以外の集団(マイクロサテライト安定性:MSS)に分類し、公共データベース及び臨床検体を用いてそれらの特徴を解析することにより、新たな治療標的を探索することを目的としている。TCGA・GEOなどのデータベースを用いて、コホート1(BRAF-mt MSI-H:n=111 BRAF-mt MSS:n=80)、コホート2(BRAF-mt MSI-H:n=37 BRAF-mt MSS:n=22)を作成した。クラスタリング解析、パスウェイ解析などの解析手法を用いて、それぞれに特徴的な遺伝子群(MSI-H:細胞障害性T細胞、MSS:Wnt シグナル及びTGF-beta シグナル)を同定した。さらに、免疫チェックポイント阻害薬の奏効が現段階では充分に期待できないため、治療標的の同定がより一層望まれるBRAFV600E変異陽性MSS大腸がんの詳細な分類を中心に、免疫染色を用いた検証を継続中である。これらの結果から、BRAF変異陽性大腸がんにおいて、免疫チェックポイント阻害薬の効果の期待できる奏効群を抽出し、さらに非奏効群における最適な治療選択候補を探索することができるため、同患者群における個別化医療の推進が期待される。
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