癌は本邦の死因の一位であり、未だ根治が困難な疾病である。治療法の一つに化学療法がある。多くの抗がん剤はがん特異性はなく正常組織に副作用を及ぼす。放射線療法に関しても正常組織への曝露は防ぐことができず、よりがん選択的な治療法が求められている。がん選択的な治療法を開発すべく、申請者はポルフィリン修飾金ナノ粒子(Au-HpD)を着想した。金は特定波長を照射することで熱やラジカルを発生することができ、これにより組織を傷害できる。ポルフィリンはがん選択的な集積があり、Au-HpDを用いることでがん選択的な傷害が期待できると考えた。実際Au-HpDはがん特異的な集積、傷害効果があることが分かった。
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