研究課題
先行研究で構築してきた脳卒中後てんかんレジストリについて,データクリーニングを完遂し,灌流画像と脳波に関する各解析を推進した.発作後-発作間欠期に撮影した脳single photon emission computed tomography (SPECT)画像の差分解析を行い,てんかん活動が拡延した痕跡を証明する発作後遷延性過灌流が高率に認められることを国際脳循環代謝学会の機関誌(J Cereb Blood Flow Metab)へ世界に先駆けて発表し,脳SPECTを用いた灌流画像診断法を開発した.さらに,臨床所見と合わせ,脳波,脳MRI,脳SPECT検査を相補的に使用した,脳卒中後てんかん診断アルゴリズムを確立し,日本てんかん学会のシンポジウムで報告した
2: おおむね順調に進展している
<Ⅰ. 脳波の判読・解析> 脳卒中後てんかんの脳波について,京都大学との共同研究で周期性放電の構成因子を詳細に分析し,発作後遺症と関連する因子を抽出した.この成果は,2020年度の日本神経学会で発表予定である.<Ⅱ.画像の読影・解析> 脳卒中後てんかんレジストリにおける脳MRI arterial spin labelling (ASL)法と脳SPECTデータの解析を行い,灌流画像診断法を確立し,国際てんかん学会で報告した.また,未公開の灌流画像解析法について特許申請を進めている.さらに,臨床所見と合わせ,脳波,脳MRI,脳SPECT検査を相補的に使用した,脳卒中後てんかん診断アルゴリズムを確立した.
Ⅱの研究成果から,灌流画像診断ソフトの開発を行う.Ⅰ.Ⅱ.で解析した脳波及び灌流画像のデータ,脳卒中後てんかんレジストリに入力されている他の臨床データについて,てんかん人工知能研究チームと共同解析を行い,「診断・予後評価ソフト」を共同開発する予定である.
COVID-19感染拡大により、予定していた物品納入に遅延が生じた。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
J Cereb Blood Flow Metab
巻: - ページ: -
10.1177/0271678X20902742
Sci Rep.
巻: 6;10(1), ページ: 1968
10.1038/s41598-020-58652-w