研究課題
先行研究で構築した脳卒中後てんかんレジストリについて,発作後-発作間欠期に撮影した脳single photon emission computed tomography (SPECT)画像の差分解析を用いた研究で,てんかん活動が拡延した痕跡を証明する発作後遷延性過灌流が高率に認められることを世界に先駆けて明らかにした (J Cereb Blood Flow Metab).脳波,脳MRI,灌流画像を相補的に使用した診断アルゴリズムを確定し,日本脳卒中学会のシンポジウムで報告した.そして,1回の発作後灌流画像だけで過灌流を自動検出する手法を開発し特許申請を行った.脳卒中病変の無い成人発症焦点性てんかんと脳卒中後てんかんを比較し,発作灌流パターン変化の違いも明らかにした.発作後遷延性過灌流に着目した病態研究は日本脳循環代謝学会のエビデンス認定研究に採択された.発作後遷延性過灌流,てんかん性放電や一側性周期性放電を中心とした脳波所見,脳卒中病変の画像的特徴について,発作再発や機能予後との関連を明らかにした.
2: おおむね順調に進展している
脳卒中後てんかんレジストリにおける脳MRI arterial spin labelling (ASL)法と脳SPECTデータの解析を行い,灌流画像診断法を確立した.脳波,脳MRI,灌流画像を相補的に使用した診断アルゴリズムを確定し,日本脳卒中学会のシンポジウムで報告した.そして,1回の発作後灌流画像だけで過灌流を自動検出する手法を開発し特許申請を行った.脳卒中病変の無い成人発症焦点性てんかんと脳卒中後てんかんを比較し,発作灌流パターン変化の違いを報告した.発作後遷延性過灌流に着目した病態研究は日本脳循環代謝学会のエビデンス認定研究に採択された.発作後遷延性過灌流,てんかん性放電や一側性周期性放電を中心とした脳波所見,脳卒中病変の画像的特徴について,発作再発や機能予後との関連を明らかにした.一側性周期性放電については,京都大学との共同研究で構成因子を詳細に分析し,発作後遺症・機能予後と関連する因子を抽出しており,2020年度の日本神経学会学術集会で報告した.
1回の発作後SPECTだけで過灌流を自動検出し,脳波判読をアシストする画像診断支援ソフトを開発する.これまで明らかにした予後に関連する脳波所見と画像特徴量を含めて,人工知能を用いた解析を行い,臨床情報から脳卒中後てんかんの診断・重症度・再発リスクを予測するソフトを作成する予定である.
COVID-19流行による研究進捗の影響があり、2020年度の使用額が少なった。本事業を1年間延長申請しており、残った研究費は解析、結果発表、論文投稿に使用する予定である。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 産業財産権 (1件)
J Cereb Blood Flow Metab.
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