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2021 年度 実施状況報告書

階層構造学習におけるヒト脳内情報伝搬の時間ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 19K16894
研究機関京都大学

研究代表者

東 広志  京都大学, 情報学研究科, 助教 (70734474)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードベイズ学習 / 脳波
研究実績の概要

階層構造を持つ環境の一つが多次元環境である.多次元環境とは,複数の情報源が存在し,その情報を組み合わせて,行動を決定しなければならない状況を表す.本研究では多次元環境における報酬獲得課題を行うときの行動と脳波の計測を,28名を対象に行った.
計測では,実験参加者に,合図として複数の画像を表示する.実験参加者はその中から画像を選ぶ.このとき,特定の位置にある特定の種類の画像を選ぶと報酬が得られた.実験参加者はこの一連の流れを繰り返すことで,「どの種類の画像が,どの位置にあれば報酬が得られるか」を学習することになる. この課題は「報酬に紐づく画像がわからなければ,位置もわからない」し,「位置が分からなければ,画像も分からない」という状況を生み出す.この問題には,画像と位置という二つの情報源があるため,多次元環境となる.
上記課題を解決する学習モデルを設計し,「学習モデルが行動・脳波をうまく予測できるか」という観点で研究を進めた.学習モデルとして,「画像」と「位置」に関する推定の更新順序を,異なるルールで決定するモデルを検証した.行動実験の結果は,学習の進行度に学習順序のパターンを適応的に変化させるモデルが,一番良い予測精度を示した.また,脳波においても,事象関連電位成分であるP3aに,学習順序を反映する振幅の変化が観察された.これは,脳内に構築される外部環境モデルにおいて,その階層構造は学習の進行度で変化することを示唆している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

行動・脳波計測は,本研究課題の予定通り進行しており,解析もおおむね完了しているため.

今後の研究の推進方策

追加の計測実験を行い,データの信頼性を高める.行動データのモデルベース解析に続き,脳波のモデルベース解析を進める.

次年度使用額が生じた理由

学会へのオンライン参加などで予定した旅費分が未使用,また,脳波計測に関する消耗品の納品が遅れ次年度に持ち越すことになったため.旅費は次年度参加に充て,消耗品の購入は予定通り行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Universality and superiority in preference for chromatic composition of art paintings2022

    • 著者名/発表者名
      Nakauchi Shigeki、Kondo Taisei、Kinzuka Yuya、Taniyama Yuma、Tamura Hideki、Higashi Hiroshi、Hine Kyoko、Minami Tetsuto、Linhares Jo?o M. M.、Nascimento S?rgio M. C.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 4294

    • DOI

      10.1038/s41598-022-08365-z

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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