胎生期から生後早期にかけての神経炎症が、発達障害や統合失調症など精神神経疾患を引き起こす要因になっているのではないかと近年考えられるようになってきている。我々の研究室では新生児期に神経炎症を誘発する方法により、非ヒト霊長類において神経炎症仮説に基づく疾患モデルを作出してきた。本研究ではこれまでに、これら疾患モデルのアカゲザル、コモンマーモセットにおいて行動評価および非侵襲脳波計測を継続してきた。そのなかで、疾患モデル個体では統合失調症患者と似た脳波異常を呈することを明らかにした。最終年度においては、ヒト、マカクサル、マーモセットから非侵襲的に記録した統合失調症のバイオマーカーである聴性定常反応の種間比較についての論文を出版した。
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