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2019 年度 実施状況報告書

末梢神経再生における神経と血管の伴走化現象および毛細血管幹細胞の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K16905
研究機関旭川医科大学

研究代表者

富田 唯  旭川医科大学, 大学病院, 助教 (50836450)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード末梢神経再生 / NG2 / Ninjurin1
研究実績の概要

先行実験で毛細血管を構成する周細胞の一部に神経分化能を持つ幹細胞(CapSCs)、さらに同細胞のシュワン細胞分化能を制御する因子(Ninjuri n1 (Ninj1))を見出した。このことから、「CapSCsは、Ninj1を介して血管周囲でシュワン細胞に分化し、神経軸索再生を促す」という仮説をたてた。
1.NG2陽性細胞特異的蛍光発光マウスの神経障害モデルなどを用いた検証により、神経傷害により増殖するNG2陽性細胞(周細胞)の中でも特にCapSCsが増殖すること、また同細胞でのNinj1発現が亢進することを示した。
2.Tamoxifen 誘導によるNG2 陽性細胞特異的 Ninj1 knockout (KO)マウスを用いた検証により、同マウスにおいて障害坐骨神経の髄鞘化が抑制されることを示した。
3.培養シュワン細胞ではNinj1発現抑制が髄鞘化マーカーであるMBPの発現を低下させることを示した。また、培養CapSCsにおいてNinj1発現抑制がシュワン細胞への分化能を低下させることを示した。
上記より、末梢神経障害時に増加するNG2陽性細胞に発現するNinj1が末梢神経再生に重要な役割を果たすことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

順調なマウスの繁殖や十分な実験時間の確保により申請期間内に目標としていた検証の多くを達成することができた。研究実績の概要(上記5.)で示した計画の1を遂行し、これを受けて、2および3の一部を遂行することができた。この成果の一部は、全国学会発表ならびに論文(BBRC 2019)として発表した。

今後の研究の推進方策

これまでの研究知見をうけて、さらに以下の検討をしていく。
1. NG2陽性細胞のNinj1遺伝子抑制するタイミングと末梢神経再生との関係
2. 今回検討した皮下脂肪由来CapSC以外に、末梢神経組織由来のCapSCを用いたNinj1の役割

次年度使用額が生じた理由

本年度については既存の実験器具、抗体等使用することにより物品費の使用を抑えることができた。次年度以降、追加実験に伴うマウスや細胞、物品購入が必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ninjurin 1 mediates peripheral nerve regeneration through Schwann cell maturation of NG2-positive cells2019

    • 著者名/発表者名
      Tomita Yui、Horiuchi Kiwamu、Kano Kohei、Tatsukawa Takamitsu、Matsuo Risa、Hayasaka Taiki、Yoshida Yuri、Kabara Maki、Yasuda Satoshi、Nakajima Keiichi、Nakagawa Naoki、Takehara Naofumi、Okizaki Atsutaka、Hasebe Naoyuki、Kawabe Jun-ichi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 519 ページ: 462~468

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2019.09.007

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Ninjurin1は、NG2陽性シュワン前駆細胞の成熟化を調整することにより末梢神経再生に関わる2019

    • 著者名/発表者名
      富田 唯
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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