研究課題/領域番号 |
19K16906
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹澤 祐介 東北大学, 大学病院, 助教 (10837793)
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研究期間 (年度) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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キーワード | 脳性麻痺 / 頭部MRI画像異常 / 全エクソーム解析 / 病的バリアント / 機能解析 / データシェアリング / MRICS |
研究実績の概要 |
満期産脳性麻痺患者のDNA検体の収集を申請者の所属する東北大学病院小児科のみならず、同院と協力関係にある宮城県立こども病院、八戸市民病院などでも行った。2015年4月から2023年9月までに脳性麻痺様の症候を示す症例で宮城県立こども病院神経科に通院し何らかの遺伝学的解析を行った症例、もしくは東北大学病院小児科で遺伝子解析を行なった症例のうち2023年9月までに91症例で結果を得ている。44例に病的バリアントを疑う遺伝子変異(30種類)、1例の染色体微小重複を認めた。脳性麻痺分類ごとの遺伝子検査陽性率はそれぞれアテトーゼ型57.1%(4/7)、痙性対麻痺49.3%(35/71)、痙性四肢麻痺100%(2/2)、片麻痺66.7%(2/3)、混合型0%(4/4)、失調型66.7%(2/3)、低緊張型100%(1/1)であった。痙性対麻痺ではKIF1Aを8例、SPASTを6例認めるなど脳性麻痺のタイプと検出された遺伝子には一定の傾向を認めた。 本実績は2024年5月に開催される小児神経学会学術集会で口演発表予定である。 その後もさらに症例の蓄積と解析を行なっており、症例数はさらに拡充される予定である。 頭部画像はMRICSに則った形で分類し、画像分類と遺伝学的異常についても解析を行うことで脳性麻痺症例の病型、画像と病的バリアントの関係が明らかとなり、今後の病因解明や治療につながる重要な示唆が得られることが期待される。 またそれにより脳性麻痺および類縁疾患の治療法の開発を促進し予後の改善に寄与することができると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脳性麻痺症例及び遺伝学的解析症例は順調に蓄積されているが、データ分析や統計解析、病的バリアントの確認や必要な機能解析の検討については計画よりも若干遅れている。 その要因としては研究代表者の海外留学による研究の一時中断があったこと、また復職が年度途中になったことで年度単位で考えると当初の予定よりも従事する研究時間が想定より下回ってしまったことが挙げられる。さらには機能解析を行うべきと判断される病的バリアントが現時点では認めていないことも当初の想定とは異なる点である。
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今後の研究の推進方策 |
今後については引き続き当科や宮城県立こども病院と連携し、当科所属の大学院生や研究助手の助力を得てデータ収集と遺伝学的解析とデータ分析を進めていく。新知見が得られることが期待される病的バリアントを認めた際には施設内外を問わず連携し機能解析を行う方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初よりもわずかではあるが研究が遅延したことの影響により想定よりも解析数が少なめであったこと、また機能解析が昨年度の間には行うべき病的バリアントが見当たらず基礎実験を行うことができなかったためその分の予算を使用しなかった。また当初の予定よりも技術の進歩や外注化、他施設の協力などによるコスト削減などの複合的な要因により解析を安価に行うことが可能となったことが要因として挙げられる。また当初よりも研究の中断と再開により研究時間の減少がありその点も使用額が想定を下回った要因の一つとなった。
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