研究課題/領域番号 |
19K16929
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
緒方 洵 順天堂大学, 医学部, 特任助教 (20825179)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | VPS13C / Parkinson's disease / オルガネラ接点 / 神経変性 |
研究実績の概要 |
2019年度の実験では、VPS13Cの結合分子を同定するために、Flp-In Systemを利用して293T FLAG-VPS13C安定発現株を作成し、共免疫沈降法と質量分析によって、結合タンパク質を同定した。そこで次に、VPS13C-結合タンパク質が共局在する場所を特定することを目的とし、細胞内局在を観察した。前年度の免疫染色法による解析ではVPS13Cの局在を検出することが出来なかったため、生細胞での観察を試みた。そのためにVPS13C-EGFP融合遺伝子を安定的に発現するSH-SY5Y細胞株を、Flp-in Systemを利用し作成した。また、ショウジョウバエのVPS13CホモログであるVps13のORFにEGFPを挿入したVps13-EGFPノックインハエを作成した。共焦点顕微鏡による観察では、VPS13Cは、リソソーム、ミトコンドリアへ局在することが分かった。さらにハエのVps13-EGFPノックインハエの観察では、脂肪滴、リソソームへの局在を確認した。次に結合タンパク質に対する抗体を用いた免疫染色、結合タンパク質-mCherry融合遺伝子の発現によるライブイメージングによる観察では、結合タンパク質は核、細胞質にディフューズに存在し、VPS13Cとの共局在化は見られなかった。また、機能解析のため、SH-SY5Y細胞でsiRNA導入による結合タンパク質のノックダウンを行った。その結果、scramble siRNAとひかくし、VPS13Cが有意に減少したことから、結合タンパク質はVPS13Cの安定性に関与することが示された。結合タンパク質を視細胞特異的に欠損させたショウジョウバエでは目が変性することが報告されている。そこでその表現型をVps13の過剰発現・発現抑制によりレスキューするか検証したが、表現型の修飾は起こらなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
VPS13Cの局在から想定していたオルガネラ接点への結合タンパク質の局在化が観察できていないため、計画変更の必要が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
細胞内共局在化が観察できなかったため、VPS13Cと結合タンパク質の相互作用をハエの表現型を指標に解析する。Vps13ノックアウトハエでは加齢に伴う網膜活動電位(ERG)が低下することを観察しており、遺伝的相互作用の指標とする。結合タンパク質と結合タンパク質と相互作用が報告されている遺伝子の過剰発現、発現抑制が、ERG低下の表現型にどのように影響するか解析し、VPS13Cの生理的機能解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行の遅れにより、2020年度予算の一部が2021年度にずれ込んだため。VPS13C結合タンパク質のハエホモログについて、組織特異的な発現誘導・発現抑制に用いるトランスジェニックハエの購入に使用する。また、ショウジョウバエの飼育に係る餌、バイアルの購入に使用する。
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