VPS13Cの結合分子を同定するために、Flp-In Systemを利用して293T FLAG-VPS13C安定発現株を作成し、共免疫沈降法と質量分析によって、結合タンパク質を同定した。そこで次に、VPS13C-結合タンパク質が共局在する場所を特定することを目的とし、細胞内局在を観察した。初年度の免疫染色法による解析ではVPS13Cの局在を検出することが出来なかったため、ショウジョウバエのVPS13CホモログであるVps13のORFにEGFPを挿入したVps13-EGFPノックインハエを作成した。共焦点顕微鏡による観察では、リソソーム、脂肪滴へ局在することが分かった。次に結合タンパク質に対する抗体を用いた免疫染色、結合タンパク質-mCherry融合遺伝子の発現によるライブイメージングによる観察では、結合タンパク質は核、細胞質にディフューズに存在し、VPS13Cとの共局在化は見られなかった。また、機能解析のため、SH-SY5Y細胞でsiRNA導入による結合タンパク質のノックダウンを行った。その結果、scramble siRNAと比較し、VPS13Cが有意に減少したことから、結合タンパク質はVPS13Cの安定性に関与することが示された。結合タンパク質を視細胞特異的に欠損させたショウジョウバエでは目が変性することが報告されている。そこでその表現型をVps13の過剰発現・発現抑制によりレスキューするか検証したが、表現型の修飾は起こらなかった。 また、Vps13-EGFPノックインハエの解析では脂肪滴への局在化が観察されたことから、Vps13欠損ハエにおいて脂肪滴関連遺伝子の発現変動を解析した。その結果、優位に変動する遺伝子が複数観察された。
|