脊髄内にあるニューロンネットワークは通常抑制されており、脱抑制により不規則な発作様の自発バースト活動が全ての髄節の前根から記録される。本研究ではこの脱抑制により顕在化する神経回路網(バーストジェネレータ、BG)が各脊髄節に存在すること、後根からの感覚入力によってBGを駆動できることなどを明らかにした。さらに各髄節にあるBG間の興奮性結合は強く、下部頚髄のみの脱抑制により、脊髄全体にわたって存在する各BG全体が駆動された。しかしまれに各筋を個別に支配するBGの駆動も観察された。今後、各筋のBGを個別に制御する方法が確立されれば、脊髄損傷患者が自ら呼吸や歩行できるようになる可能性がある。
|