研究課題/領域番号 |
19K16933
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松田 孟士 立命館大学, 薬学部, 助教 (00804759)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 認知症 / 認知機能障害 / 老化 / 学習・記憶機能 / モデルマウス / 神経細胞 / グリア細胞 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病では、アミロイドβやリン酸化タウといった病原タンパク質が脳内で凝集・蓄積することによって神経細胞が障害される。また、タンパク質を含有するエクソソームはそれらの疾患関連分子の細胞間伝播に密接に関わり、大規模な神経ネットワーク(回路)障害や認知機能障害の誘因になり得る。本研究では、アルツハイマー病モデルマウスの認知機能が障害されるとき、神経細胞あるいはグリア細胞からエクソソームによって他細胞にどのようなタンパク質がどのように伝播されるのかを調べることで、アルツハイマー病における神経・グリア由来エクソソームによる認知機能制御メカニズムを明らかにすることを目的とする。 当該年度では、まずアルツハイマー病モデルマウスとなり得るいくつかの疾患モデルマウスを準備し、それらのマウスに対して複数の行動実験を行った。それらの実験の結果、疾患モデルマウスにおいて野生型マウスと比較して有意に認知機能が障害される時期を同定し、認知機能障害を有するアルツハイマー病モデルマウスを確立した。さらにそれらのモデルマウスの脳組織を用いて、アルツハイマー病に関連する脳内の病理変化について調べ、病理変化が生じていた脳領域とその程度を解析した。また、認知機能障害が生じたアルツハイマー病モデルマウスの血液を採取し、今後の解析実験のために保存した。次年度では、採取した脳組織および血液サンプルを用いて、アルツハイマー病に関連する分子の定量解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の行動実験を行うことにより、いくつかのモデルマウスで認知機能障害が認められ、認知機能障害を有するアルツハイマー病モデルマウスを確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
エクソソーム内タンパク質に対する高感度アッセイ系を確立し、認知機能障害を有するアルツハイマー病モデルマウスの脳組織および血液サンプルを用いて標的タンパク質の定量実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必要な一部のモデルマウスの準備・飼育・実験などに想定よりも時間を要したため、該当する実験を次年度以降も引き続き実施することにした。次年度使用額は実験の遂行に必要となる経費および実験器具、実験試薬、実験用小動物の費用として用いる。
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