研究課題
2020年度に医療従事者を対象として実施した、日本の高齢がん診療における問題点と、高齢者機能評価の実施状況、および高齢者機能評価実施の阻害・促進要因についてのインタビュー調査のうち、高齢者機能評価実装の阻害・促進要因についてまとめたものを、2021年6月ASCOシンポジウムにて発表した(Barriers and Facilitators of Geriatric Assessment Implementation in Daily Oncology Practice: a Qualitative Study applying a Theoretical Implementation Framework)。16名のインタビュー結果を、実装研究のための統合フレームワーク(Consolidated Framework for Implementation Research: CFIR)を用いて分析し、GAを実装できている5施設(日常診療で実施している施設)と実装できていない5施設(臨床試験でのみ実施、または実施できていない)を比較した。CFIRの36コンストラクトのうち、15コンストラクトが実装に強い影響を与えていた。とくに内的環境(ネットワークとコミュニケーション、変化への切迫感、リーダーシップの関与など)とプロセス(ステークホルダー、オピニオンリーダー、チャンピオンの巻き込み)が重要であった。
3: やや遅れている
2021年度もCOVID-19の影響のため、患者に対する対面でのアンケート調査やインタビューは実施困難な状況であった。2020年度に医療従事者を対象として実施したインタビュー調査の結果をASCO2021で発表することができた。現在、論文化中である。
2022年度もCOVID-19の影響のため、研究の先行きは不透明な状況である。状況を見ながら、患者を対象としたアンケート調査を再開していきたい。一方で、医療従事者へのインタビュー調査の結果は、鋭意論文化中である。
COVID-19の影響で国内・国際学会がWEB開催となったため、予定していた旅費・宿泊費が不要となった。患者・医療者への調査のための人件費・謝金、解析のためのソフト購入費、国内・国際学会への旅費に使用する。
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