研究課題/領域番号 |
19K16950
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
木島 庸貴 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (10727233)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 活動量 / 在宅高齢者 / 急性疾患 |
研究実績の概要 |
本研究では、在宅高齢者の適切な(疾病予防や予後に良い影響を及ぼす)体位・活動量についての調査を行う。外来通院ができない在宅高齢者の体位と活動量は不明であるため、その調査(高齢者の日々の生活における体位[臥位・座位・立位の時間]及び活動[歩行やリハビリ」を加速度計を用いて詳細な評価)を行う。さらに高齢者の基礎疾患や栄養状態などの背景要因と介護度や介護保険で受けるサービスを調査し、高齢者の背景と活動量の関連を解明する。次に、急性期疾患の発症及び入院(在宅生活継続日数や死亡を含む)をプライマリアウトカムとして、日々の活動量を焦点においた患者背景(口腔内細菌数・既往疾患・栄養状態など)との関連を、前向き観察研究によって解明する。つまり、在宅高齢者の活動量に関する記述研究と、活動量と急性疾患発症・在宅生活継続に関する前向き研究である。 本年度は研究を実施する施設・医療機関を幅広く募集し、大規模な横断的記述研究と前向き観察研究を実施するための準備を進めた。また国内外における活動量調査に関する研究・論文実績及び解析経験が豊富な研究者と頻回な議論を経て、精密で実現可能な研究計画が作成された。そして本研究への参加に同意する施設を募集し、最終的に記述研究及び前向き観察研究に参加する施設の3か所を決定した。参加施設が決定された後には、研究を実施する医療機関及び施設の責任者と頻回な協議を経て、各施設の研究体制の構築(すべての施設における研究実施のための書類を作成、関係する職員に対する本研究の目的と実施内容の説明会の開催、研究倫理・利益相反・個人情報の取り扱いなどにに関するセミナーの開催を複数回実施)した。それらの準備を経て倫理委員会に提出し、倫理審査の承認を受けた。次年度は、本研究を開始する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高齢者施設での研究を開始する予定であったが、COVID-19の流行に伴い施設の出入りが困難となり、研究実施についての理解と施設関係者の協力が得られにくい状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
現在COVID-19が流行し始めた時期で、流行の目途がつくまで開始が困難である。各施設の研究責任者と相談しながら、研究開始の時期を検討する。基本的に本研究は多少の修正をしたとしても、現在予定している施設で研究を実施することとしている。ただ、半年(9月末)を目途に、現在予定している施設で研究を開始できるかどうかを判断する。研究開始が困難と判断された場合に備えて、高齢者における活動量調査に関する研究の実施を受け入れる別の選択肢(施設や医療機関)について検討しておく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究における必要物品の購入のために、多額の費用が生じた。まず、検査機器の購入が当初より高額になったことで、追加の費用を要した。また、研究計画を修正した際に、追加で調査すべき項目が増え、それらを測定するための物品を購入するために追加の費用が必要となった。さらに、当初は前回の研究から使用していたパソコンは本研究でも引き続き使用可能と判断していたが、年度途中に不具合が生じ、セキュリティーの問題もあり、安全性を確保するためデスクトップを改めて購入し、より支出が増えた。
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