本研究の目的は、在宅高齢者における体位・活動量調査とその背景要因との関係を探索すること、また前向き研究によって日々の体位・活動量が、その後の在宅生活維持及び疾患発症にどの様な影響を及ぼすのかを明らかにすることである。令和4年度は、これまでに組み入れられた参加者の活動量/体位の推移を引き続きActivPALを使用して測定し、また参加者のイベント(入院・死亡などのイベント発生、臨時診察や救急外来の受診など)のフォローを実施した。参加者の基本的なデータ(参加者の年齢、性別、基礎疾患、介護度、使用中の薬剤、認知機能、日常生活動作、心理的評価、栄養状態、筋力、飲酒、喫煙、慎重、体重、口腔内細菌、ActivPALで測定した活動量・歩数・立位時間・座位時間・臥位時間・起居動作の頻度、日々の身体活動・体位に関する質問、社会的交流の程度に関する質問などの評価)を元にした結果をもとに、研究結果をまとめた。90歳以上の高齢者の1日の歩行数や1日の中での身体活動の変動などが明らかとなった。また研究結果のまとめは、研究を実施した施設で、研究に協力してもらったスタッフ及び在宅診療に関わる関係者や病院スタッフに対しての報告会を行った。また、記述を中心とした研究結果は、英文雑誌に投稿中である。その後は、引き続いて前向き観察研究として、その後の身体活動及び体位の年次的推移のフォローとアウトカム(入院や死亡などの在宅生活継続に関すること、急性期疾患発症、臨時の診察や救急の受診回数など)についての調査を続けていく。
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