細胞周期制御蛋白質PDCD4(Programmed Cell Death 4)の慢性腎炎における役割に着目した。細胞増殖が促進される状況にてrpS6 (ribosomal protein S6)リン酸化は増加し,PDCD4発現量は減少した。ヒトIgA腎症の腎組織において,PDCD4とリン酸化rpS6はメサンギウム細胞を中心に染色された。ラットThy1腎炎モデルでは,リン酸化rpS6の発現はThy1投与後7日目に強いが,PDCD4の発現は3日目がピークであり, 7日目には減弱した。Thy1投与時からステロイド療法を施行するとPDCD4発現が7日目においても保たれ,rpS6発現は減少した。
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