本邦のAST、ALT測定は、主にピリドキサールリン酸(PALP)非添加のJSCC法で測定する。本研究は、ビタミンB6欠乏患者におけるPALPを添加した測定系(IFCC法)によるAST、ALT測定の有用性を検討した。IFCC法のAST測定は、測定結果が安定しなかったため、ALTについて検討した。ビタミンB6低値ではALT低値の割合が高く、IFCC法測定値のJSCC法からの増加率は、ALT低値群はControl群と比較し有意に高いことから、ALT低値例においてPALP添加による測定法の有用性が示された。本研究の対象においては、肝障害の評価に大きく影響を与える程度ではなかった。
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