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2020 年度 実施状況報告書

造血細胞移植の腸管免疫をToll様受容体で紐解く

研究課題

研究課題/領域番号 19K16965
研究機関愛知医科大学

研究代表者

内野 かおり  愛知医科大学, 医学部, 講師 (70714872)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードToll様受容体 / 遺伝子多型 / UNC93B1 / 造血細胞移植
研究実績の概要

同種移植患者の腸管において、ホストの腸管上皮細胞・抗原提示細胞やドナーの白血球が、TLRを介して腸内細菌叢と相互作用し、感染免疫や移植片対宿主病、同種免疫効果に影響を及ぼしていると考え研究に2019年度から着手した。2020年度は移植患者の糞便から腸内細菌叢の多様性を解析し、移植前後で多様性がどの程度変化するかを解析した。しかし移植前後で有意に変化していることはなかった。予想よりも糞便採取に同意を得られた患者数が少なく、解析できた検体が少ないことも影響していると思われ、今後も検体収集を継続し、解析していきたいと考える。また、2020年度はTLR関連分子であるUNC93B1の遺伝子多型が造血細胞移植後転帰に関わることを明らかに論文発表した。(Uchino K, Vu Quang L, Mizuno S, Horio T, Yamamoto H, Hanamura I, Kodera Y, Luis Espinoza J, Onizuka M, Kashiwase K, Morishima Y, Fukuda T, Doki N, Miyamura K, Mori T, Morishita E, Nakao S, Takami A. Donor UNC-93 Homolog B1 genetic polymorphism predicts survival outcomes after unrelated bone marrow transplantation. Genes Immun. 2021.)今後は収集した検体からUNC93B1遺伝子多型を調べ、糞便採取から得られた腸内細菌叢のメタゲノム解析(移植前、移植後)結果との関連や、生着・移植片対宿主病・感染症(種類、治療、転帰を含む)・再発・進行・生存を含む臨床データと関連を比較・検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予想よりも研究参加に同意が得られず、収集できた検体数が少なかった。またCOVID19感染症流行の影響で患者数が減少していることも原因の一つと考えられた。引き続き、検体収集を継続していく。一方で、実際に腸内細菌叢の多様性を自ら解析し、方法を習得したことから、今年度はさらに効率的に解析を実施できると考えられる。またUNC93B1遺伝子多型が移植後転帰に関わるという結果を論文発表した作業から、TLR遺伝子、その関連遺伝子などの知見を多く得ることができた。これらは今後の研究をすすめていくうえで発生する問題を解決や解析結果を考察する際に役立つと考えらえる。

今後の研究の推進方策

さらに症例を蓄積し、得られた試料を用いて、血液細胞を分離する。これらを用いて、腸管免疫・炎症病態関連の機能的TLRがリンパ球やマクロファージなどの細胞性免疫や炎症動態へ及ぼす役割をゲノムレベルで検証し、ゲノム標的予防・治療法の可能性を探索する。

次年度使用額が生じた理由

予想より同意を得られた患者数が少なく、検体数が少なかった。そのため、解析費用が予想よりも少なくなり、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Donor UNC-93 Homolog B1 genetic polymorphism predicts survival outcomes after unrelated bone marrow transplantation.2021

    • 著者名/発表者名
      Uchino K, Vu Quang L, Mizuno S, Horio T, Yamamoto H, Hanamura I, Kodera Y, Luis Espinoza J, Onizuka M, Kashiwase K, Morishima Y, Fukuda T, Doki N, Miyamura K, Mori T, Morishita E, Nakao S, Takami A
    • 雑誌名

      Genes and Immunity

      巻: 24 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1038/s41435-021-00122-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Favorable prognostic phenotype in myelodysplastic syndrome with der(1;7)(q10;p10)2020

    • 著者名/発表者名
      T. Horio, E. Morishita, S. Mizuno, K. Uchino, I. , J.L. Espinoza, Y. Morishima, Y. Kodera, M. Onizuka, K. Kashiwase, T. Fukuda, N. Doki, K. Miyamura, T. Mori, S. Nakao, A. Takami.
    • 雑誌名

      eJHaem

      巻: 1 ページ: 558-562

    • DOI

      10.1002/jha2.115

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 当院での銅欠乏症患者の検討2020

    • 著者名/発表者名
      Kaori Uchino , Megumi Enomoto, Ayano Nakamura, Satsuki Murakami, Mineaki Goto3, Shohei Mizuno, Hidesuke Yamamoto, Masao Seto, Ichiro Hanamura, Akiyoshi Takami
    • 学会等名
      第21回日本検査血液学会学術集会
  • [学会発表] Cytopenia associated with copper deficiency2020

    • 著者名/発表者名
      Kaori Uchino , Megumi Enomoto, Ayano Nakamura, Satsuki Murakami, Mineaki Goto3, Shohei Mizuno, Hidesuke Yamamoto, Masao Seto, Ichiro Hanamura, Akiyoshi Takami
    • 学会等名
      第82回日本血液学会学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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