研究課題
筋緊張性ジストロフィー(Myotonic Dystrophy; DM)は成人で最も頻度の高い筋ジストロフィーである.DMには遺伝学的に2つの病型があり、日本人のほとんどが1型(Myotonic Dystrophy type1: DM1)である.DM1の責任遺伝子は19番染色体上の筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)であり、DMPK遺伝子の3’非翻訳領域に存在するCTG三塩基からなる繰り返し配列(トリプレット・リピート)に異常伸長が認められる.DM1の臨床症状は筋萎縮や筋力低下、筋強直現象などの筋症状が主体となるが、その他に心病変(心伝導障害、心筋障害)、中枢神経症状(認知機能低下、性格変化)、眼症状(白内障)、内分泌異常(耐糖能障害、高脂血症)、など多くの臓器症状を呈する全身疾患である.また、DM1成人患者では、良悪性を問わず、腫瘍の発生リスクが上昇することが知られている.腫瘍を合併したDM1の症例報告ではCTGリピート配列の延長が示唆されており、CTG反復配列の異常は何らかの過程を経て癌化を誘発していると考えられるが、その詳細な腫瘍発生メカニズムに関しては全く明らかになっていない.令和2年度にて筑波大学倫理委員会の承認が得られたため、令和3年度では実際の症例においてCTGリピート解析を開始する方針であったが、当初予定していた検体では固定様式によりリピート数の測定が困難であることが明らかとなった。そのため、今後は凍結標本を用いてリピートの解析を行う方針となった.
3: やや遅れている
当初予定していた検体ではDNA抽出後のリピートの測定が困難であることが明らかとなったため。今年度は、当初予定していた標本と別の凍結標本を用いて解析を予定している。
今年度は検体の解析を主体として行う。凍結標本を用いてDNAの抽出を行い、CTGリピート数を測定する予定である。
昨年度DNAおよびCTGリピート測定を予定していたが、行うことが困難となったため今年度は凍結標本を用いて、再度施行予定である
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