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2020 年度 実施状況報告書

リゾホスファチジルセリンの血栓止血分野における意義の解明および検査医学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K16971
研究機関東京大学

研究代表者

西川 真子  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30779369)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード血小板 / リゾホスファチジルセリン / 血小板受容体 / 検査医学的応用
研究実績の概要

リゾホスファチジルセリン(LysoPS)は,生体内で生理活性作用をもつ新規リゾリン脂質メディエーターである.本研究では,血小板の活性化に伴いLysoPSが血中に放出されることに着目し,血小板機能に対するLysoPSの役割を明らかにし,LysoPSの新しい疾患バイオマーカーとしての応用を目指すものである.
令和元年度は,健常人ヒト洗浄血小板に各種血小板刺激物質を加え,各種リゾリン脂質を質量分析計(LC-MS/MS)を用いて測定したところ,他の多くのリゾリン脂質とは異なりLysoPSでは,コラーゲン刺激>トロンビン刺激で,血小板からの放出が顕著であることを発見した.本年度は以下の研究を行った.
(1)コラーゲン刺激によりLysoPS放出が増加する機序を解析するために,コラーゲン刺激経路に関連する各種刺激物質を準備し,血小板凝集能および血小板の活性化マーカーの評価を行った.
(2)糖尿病患者において血小板表面受容体P2Y12等の発現増加による血小板易凝集性が報告されており,個々の血小板ごとの血小板受容体のmRNA発現量の解析を行った.糖尿病患者26名および健常者13名を対象とし,β2-ミクログロブリンを基準としてP2Y12,TXA2受容体,リゾホスファチジン酸受容体,LysoPS受容体のmRNA発現量を比較した.
(3)自動血球計を用いて糖尿病患者および健常者の血小板容積指数を比較した.平均血小板容積,大型血小板比率は糖尿病患者で有意に大きかったが,HbA1cとの有意な相関は認めなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はCOVID-19の流行により,研究の進行に遅延が生じた.マウスを用いた検討を予定していたが,実験系の継続が困難であった.質量分析に用いる試薬,内部標準物質の入荷に大幅な遅延が生じ,解析が進まなかった.

今後の研究の推進方策

健常人ヒト洗浄血小板にコラーゲン刺激経路に関連する各種刺激物質を添加して刺激したサンプルを用いて,血小板から放出されるLysoPS量の解析を継続する.血小板細胞単位の血小板受容体mRNA発現量解析を継続する.

次年度使用額が生じた理由

本年度はCOVID-19の流行により,質量分析に用いる試薬,内部標準物質の輸入,納品に大幅な遅延が生じ,研究費を使用できなかった.発注済であり,納品されたら解析を進めることが可能である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] フローサイトメトリーを用いた糖尿病における血小板受容体のmRNA解析2021

    • 著者名/発表者名
      西川真子、蔵野信、矢冨裕
    • 学会等名
      第43回 日本血栓止血学会学術集会
  • [学会発表] P2Y10の血小板機能における役割の検討2020

    • 著者名/発表者名
      西川真子、蔵野信、矢冨裕
    • 学会等名
      第42回 日本血栓止血学会学術集会
  • [備考] 東京大学医学部附属病院 検査部 ホームページ

    • URL

      http://lab-tky.umin.jp/achievements/2020.html

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公開日: 2021-12-27  

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