研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リゾリン脂質は親水基である残基と疎水性部位を有するリン脂質の総称であり,申請者の所属する研究グループを含め,ヒト疾患との関連が盛んに研究されている.代表的なリゾリン脂質は,リゾホスファチジン酸(LPA)とスフィンゴシン1リン酸(S1P)であるが,申請者はLPA,S1Pに次ぐリゾリン脂質メディエーターとして,リゾホスファチジルセリン(LysoPS)に注目した.LysoPSは,2012年に3種の特異的G蛋白共役型受容体(GPR34, P2Y10, GPR174)が同定され,その作用は免疫学を中心に明らかになってきたが,血栓止血領域におけるLysoPSの意義は明らかになっていない.
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