生体内では脂肪酸分子種の違いや代謝バランスの変化が様々な炎症や代謝疾患に関与していることが示唆されている。特にω-3,ω-6脂肪酸は体内で活性代謝物・脂質メディエーターに変換され、抗炎症作用、抗線維化、抗アレルギー作用を発揮していることが報告されている。また臨床研究からもこれら脂肪酸比と発癌、動脈硬化との関連の存在が指摘されている。我々は脂肪酸と疾患との関連にリゾリン脂質が関与する可能性を考え脂肪酸添加時のリゾリン脂質の変動およびその生理的な役割について検討し、疫学研究より提唱されている抗腫瘍作用を説明することができた。本成果は臨床検査および創薬の対象として大きな意義があると考えられる。
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