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2019 年度 実施状況報告書

凝固波形解析による血中フィブリノゲン解析を応用した新規出血リスク評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K16977
研究機関名古屋大学

研究代表者

鈴木 敦夫  名古屋大学, 医学部附属病院, 主任臨床検査技師 (80835398)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードフィブリノゲン / 凝固波形解析
研究実績の概要

研究代表者がこれまでに確立したFibg-CWA法を応用し、線溶相の評価(凝固線溶の質)が可能な改良法(Fibg-CWA改良法)を構築するため、まず、Fibg-CWAをベースとした新規線溶評価法の構築に取り掛かった。まずトロンビン時間に基づき、使用するトロンビン量・血漿サンプルの希釈倍率・添加する線溶活性化因子の検討を実施した。トロンビン量とサンプル希釈倍率は、得られる波形解析情報に大きく影響を与えることが明らかとなった。希釈倍率を下げることで総吸光度変化量は大きくなり評価しやすい系となるが、得られる波形解析パラメータが変動するため、最終的に10倍希釈が至適であることが判明した。一方、トロンビン量は、検量線のレンジと直線性に基づき決定したところ、50~200単位が至適であることが示唆された。一方、線溶関連因子存在下(in vitro)でのトロンビン時間法測定の検討では、まず、組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)を添加し、Fibg-CWA法の測定を検討した。様々なtPA濃度にて検討を行ったところ、5~20nMの濃度で、凝固反応終了後に線溶反応が生じることが観察された。本測定系の同時再現性は極めて良好であった。そこで、10nMの濃度に固定し、健常人サンプルを用いて検証したところ、反応動態は均一ではなく、何かしらの因子の調節を受けていることが推測された。このバリエーションを限りなく低減し、検査法として確立するためにさらなる検討が必要であると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

測定系へと影響を与える変動因子の存在が明らかとなったため、予定していたスケジュールよりも少し遅れている。本件は予測できなかった事案であること、また、測定系の確立は本研究の根幹となる極めて重要なステップであることから、十分な検証が必要である。

今後の研究の推進方策

現在の研究方針を継続するが、臨床検体を用いた検討を途中から同時進行させることで研究の遅れを取り戻すことが可能であると考えている。測定法の確立には十分な時間と労力を惜しまないことが重要であると考えている。

次年度使用額が生じた理由

測定系の確立において、予想よりも時間がかかっており、結果的に執行に遅れが生じている。この遅れを修正するよう次年度分に繰り越して使用予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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